防ぎようがないと感じた神戸の事件とリレー捜査について

神戸の事件のニュースを見ていると、本当に防ぎようがないというか、何万か何十万かはわかりませんが、低い確率ながら何かの標的になってしまった場合、どうにもならない悲しさのようなものを感じますね…。

運というにはあまりにも惨いのですが…。もっとも今回は再犯に近いので、防げるとしたらむしろ初犯の段階で何かしらのプログラムなりを整備するしかないのかもしれません。厳罰化云々も一律に早々できるものでもないと思いますし、いい気過ぎてもただのネットの感情論になってしまいますし。

それでも、こうして犯人が迅速に捕まるようになったのは科学技術の進歩の恩恵なのだろうなぁと、これは暗い事件の中でも良いことだとは思います。

最近のリレー捜査ってすごいですよね。

いわゆる防犯カメラの映像をつぎはぎして追跡していくというアレですが、かなりの確率ですぐに捕まるようになっている気がします。今回のような事件でも、よほどの田舎でなければきっと捕まるんだろうなと、思えるようになってきました。

ただ、リレー捜査もやっぱり警察の勘みたいなものも大切で、それは形になるかならないかはともかくとして、やっぱり結果迅速に捕まるっていうことは、背景には称賛されるべき仕事があると思うんですね。

警察って不祥事が起これば叩かれるわけで、それは当然なのですが、だからこそいいことをしたら世間はちゃんと褒めないといけないと思うんですよ。良い社会をつくるための一つのプロセスというか。

リレー捜査については、2021年に白金で起きた硫酸事件のこの記事が非常に興味深かったです。

防犯カメラ「リレー捜査」の実態…推理力と耐久力、硫酸事件86時間後の逮捕までに迫る : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20211007-OYT1T50175/

前足班(事件前の足取り)と後足班(事件後の足取り)というのがあって、それぞれが行動を追うんですね。

以下、少し長いですが引用。

「後足班は逃げた男を追うため、白金高輪駅周辺のカメラを見て回った。その一つの映像の隅に、路上を歩きながら一瞬、手を上げる人物が映っていた。容疑者と服装は違うが、背格好が似ていた。」

「事件後に着替え、タクシーに乗った可能性」。報告を受けた係長は、高速バスの情報もふまえ、「新幹線だ。品川駅に向かえ」と指示した。この時点で、時計の針は25日午前11時を回ったところだった。

 推理は当たった。品川駅でタクシーを降り、新幹線の切符を買う男の姿が、複数のカメラに映っていた。JR側に確認し、静岡行きの切符と判明。すぐに班員が静岡に飛んだ。被害者の話から、「琉球大時代の先輩が怪しい」との情報が浮かんだ。男は事件当日に静岡市の自宅に帰り、翌25日午前、新幹線で西へ向かっていた。

 「土地鑑のある沖縄に逃げたのでは」。予測通り、男は中部国際空港(愛知県)から那覇に向かう便に乗っていた。警視庁は27日、男を公開手配。翌28日午前、琉球大から約5キロ離れた公園で確保し、傷害容疑で逮捕した。事件発生から約86時間後だった。

リレー捜査については、令和6年の警察白書の第2章、P87に『防犯カメラ画像等の活用』という項目があります。これも読むとなかなか興味深いです。

これを読むと、やっぱり防犯カメラの画像っていうのはすぐ上書きされてしまったりして、迅速に対応しないと消えてしまうんですね。

想像の域を出ないですが、個人の力量や組織によってもかなり検挙率の幅が出そうですし、スピード感にも差が出そうです。

https://www.npa.go.jp/hakusyo/r06/pdf/05_dai2sho.pdf

だとすると、迅速な逮捕につながったのは警察の努力なり勘なり、やっぱりそういう成果があると思うんですよ。

治安維持のために警察は大切な組織ですから、事件が起きて、良い成果を出したときは、社会は拍手を送る文化もあっていいのかなと思いました。

もちろんそれは公然と何かをすることではなく、各人なりマスメディアなりが心の中でという部分ですが。

痛ましい事件を通してではありますが、いい勉強になりました。

最後に、被害にあわれた方とその関係する方々が少しでも穏やかな日々を送れることを、微力ながら願っています。
Source: TAROの競馬

コメント

タイトルとURLをコピーしました