長嶋茂雄さんの引退スピーチを見て、美しい日本語に震える。

小さい頃は気づかなかったけど、大人になってから気づくことってないですかね?

最近、長嶋茂雄さんが亡くなったのが結構大きなニュースだったと思うんですが、改めて有名な引退の時のスピーチを聴くと……聴いていて背筋が伸びるくらい、日本語の美しさに感心しました。

長嶋さん個人の力もあるだろうし、時代背景もあるのかなぁと思ったりします。昔の日本語はスッキリしてていいですよね。

まず、冒頭からのこの言葉が本当にカッコいい。

『皆様から頂戴致しましたご支援、熱烈なる応援を頂きまして、今日まで、私なりの野球生活を続けて参りました。今ここに、自らの体力の限界を知るに至り、引退を決意致しました。』

「今ここに、自らの体力の限界を知るに至り、引退を決意いたしました」

シンプルながら、なんという美しい日本語なのかと。こんな言葉、今の日本の野球選手話せないでしょ。

今だったら、まず間違いなく、引退を決意させていただきました…あるいは、引退させていただきました、となるかな。時代の変化だからだれが悪いわけでもないですが。

そして、後半がまた美しい。永久に不滅の前のところ。

『不運にも、我が巨人軍はV10を目指し、監督以下、選手一丸となり死力を尽くして最後の最後までベストを尽くし闘いましたが、力ここに及ばず、10連覇の夢は破れ去りました。』

「力ここに及ばず、10連覇の夢は破れ去りました」

なんというシンプルかつ力強い表現なのか。

文章としてみると、まず、「不運にも」を冒頭に持ってくるところがカッコいいんですよね。

わが巨人軍はV10を目指し…から始めて、力及ばず、不運にも10連覇の夢は破れ去りました、だとちょっと凡庸になるんですよ。

しかも、これは原稿ではなくて、マイク片手に話しているわけなので、やっぱり類稀なる言語感覚があったのでしょう。

ガキの頃はそんなこと考えてもいなかったので、天然のおっさんなのかなとか、補強ばっかりしやがってとか思ってたんですがね(笑)。

野球選手や監督でスピーチが上手いっていうことでいうと、誰よりもあの人を思い出すんですよ。

そう、星野仙一です。

圧倒的にうまかったですよね。抑揚、声質、ある意味大衆を扇動する力があった。コミッショナーとかになってほしかったですが、星野さんはちょっと早かったですよね。

そう考えると、長嶋茂雄さんは病に倒れてから20年以上も生きたのですから、凄いですよね。

長嶋監督というと、これも思い出すんですよ。

劇空間プロ野球のテーマ。

『果てしない夢を』

久々に聴いたんですけど、これ坂井泉水さん作詞なんですね。そして、歌にも参加してる。

この流れで久々にZARD熱が高まってしまいました。

言葉がキレイといえば坂井泉水さんのワードセンスもめちゃくちゃ好きなんですよ。作詞に結構こだわりがあったようで、それはだいぶ大人になってから知るのですが、その時には坂井さんは既にいませんでした。
生きてたらどうしてたんですかね。

とりとめもなくなってしまいましたが、ひとまず今年の上半期が終わり、下半期がスタートしました。目の前の小さな目標と、将来の大きな目標に向けて、精一杯生きていきましょう。

Source: TAROの競馬

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